リターナブルびんポータルサイト



検討会・シンポジウム

環境省 「びんリユース推進シンポジウム」 in 郡山

開催日時 2011年11月14日(月)13:30〜16:30
開催場所 郡山ビューホテルアネックス
(福島県郡山市中町10-10)

びんリユースのさらなる普及・促進へ

検討会
シンポジウム会場

 2011年11月14日「びんリユース推進シンポジウム」が開催されました。
   本シンポジウムでは、リユースびんに関する取り組み事例や、これからの在り方、関係者によるパネルディスカッションなどにより、びんリユースに関するさまざまな事例が紹介されました。

 冒頭では、環境省森下室長のご挨拶。
「今回の震災で被災されたみなさまには、心からお見舞い申し上げます。さて、本シンポジウムでは、びんリユースをさらに普及・促進させていきたいと思っています。リユースは、リデュース・リサイクルと違い、関係する方が協力して、連携をしていかなければうまく進みません。震災後、人の繋がりや絆が見直されています。将来の社会の有るべき形を、郡山から、びんリユースの普及の姿で日本全国に発信していきたいと思っています。」
 つづく、郡山市長 原正夫氏も、
「本日のシンポジウムが、多くのみなさまの環境に対する考え方や行動を見直すきっかけとなり、環境負荷の少ない持続可能な行動へつながることを期待します。」
と、本シンポジウムへの期待を表していました。

基調講演 びんリユースと未来社会

検討会
安井 至 氏

 安井至氏(国際連合大学名誉副学長、東京大学名誉教授)による、「びんリユースと未来社会」についての基調講演が行われました。世界の環境問題から、循環型社会、PETボトルリサイクル、びんリユースに至るまで、実に幅広く、グローバルな観点から、リユースを含めた将来像について、講演されました。

 「重要な点は、私と公のバランス。それには共通の目的のために結束することが必要です。結束することは、つなぐこと、そして共働すること。それが絆になります。
また、未来社会についても考えないといけません。近江商人の『三方よし』の理念、『売り手よし』『買い手よし』『世間よし』は、社会的責任の見本ですが、これに『曾孫よし』を加えた『四方よし』。これを、リユースを表す言葉としてはいかがでしょう。曾孫の代まで、とにかく、未来の割引率を小さめにしていかなくてはなりません。」
と、リユースの未来に向けて貴重なお話をいただきました。

リユースびんに関する全国の取組事例の紹介

 環境省沼田室長補佐より、リユースびんに関する全国の取組事例と、今回の実証事業の進捗状況が紹介されました。

●検討会においてヒアリングを行ったびんリユースシステム事例
(対象事業者) ワタミ株式会社/大口酒造株式会社/東北びん商連合会

●実証事業の進捗状況紹介
(対象事業者) 郡山市容器リユース推進協議会/株式会社吉川商店/びん再使用ネットワーク/
          Rびん推進九州プロジェクト

さまざまなびんリユースの取組み事例の紹介

 関係団体による、びんリユースの取組事例が紹介されました。

・郡山市容器リユース推進協議会 <郡山モデルの紹介>
・ガラスびんリサイクル促進協議会 <我が国におけるびんリユースシステムの現状>
・東北びん商連合会 <東北びん商連合会について>
・びん再使用ネットワーク <びん再使用ネットワーク活動紹介>

パネルディスカッション

検討会
パネルディスカッション

 後半では、関係各位によるパネルディスカッションが行われました。
 司会進行は安井氏。前半の事例紹介を踏まえ、さまざまな意見交換が行われました。

  • Rドロップスは地場産業と組んで広めていくことは十分可能。ニーズがあればぜひ広めていきたい。
  • 和民のびんがリユースびんということを利用者がわかっているかが問題。メニューの工夫、POPスタンドなどを細工する必要がある。
  • リユースびんの規格統一ができていない。どのあたりに需要があるかを見て、びんそのものを変えていく必要もあると思う。
  • 将来の日本を考える
  • ⇒少子高齢化、資源が少ない。資源循環させるジネスが伸びるようにしたい。
  • ⇒「昔はよかった」ではなく、新しい時代の新しい取り組みの中でリユースを考える。
  • ⇒ネット宅配の中でのリユースのビジネスシステムを構築すべき。
  • リユースについては、すこし法制化が必要な部分がある。

 パネルディスカッションの最後では、
「未来社会に向けて“ごみをだす資源のムダ使いの時代はもうそろそろ終わり”という意識を、皆様と共有していきたいです。そのためには、本日参加されている皆様も、今日の話を広めていただきますようお願いします。」
という安井氏のコメントにより、シンポジウムは閉会しました。

コメント

伊東 明人 氏
伊東 明人 氏

 閉会後、伊藤明人氏(東北びん商連合会 会長)は、
「今日のようなシンポジウムを各地で開催していただければ、消費者、メーカーがリユースびんについて理解を深めることができるのではないかと思います。郡山市容器リユースモデル実証事業は今日からスタートです。地元の業者も、メーカーも卸も小売りも、今日の話はみんな協力してくれています。ただ、一部スーパーは難しいようです。それは、協力できるような空気を作って、徐々に説得していくしかないですね。」
と、地元の状況について感想を述べられました。


講演資料

基調講演

安井 至 氏 <国際連合大学名誉副学長、東京大学名誉教授>

リユースびんの取組事例紹介

沼田 正樹 氏 <環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部 企画課リサイクル推進室 室長補佐>

沼田 大輔 氏 <郡山市容器リユース推進協議会 座長>

パネルセッション

幸 智道 氏 <ガラスびんリサイクル促進協議会 事務局長>

伊藤 明人 氏 <東北びん商連合会 会長>

中村 秀次 氏 <びん再使用ネットワーク 代表幹事>

びんリユースシステム成功事例

※本シンポジウムは、環境省「我が国におけるびんリユースシステムの在り方に関する検討会」の一環として実施されています。